レディスケイリンレーシングチーム・すぴRits。
彼女たちには、きっと太陽の神様がついているのだろう。9月9日だというのに、真夏並みの太陽が降り注ぐ弥彦競輪場。暑いバンクの中、「競輪女王決定戦」第3戦・ブライトホームCUPが行われ、スタートから先頭に立った本田美羽選手が逃げ切り勝ち。ゴール前の大激戦を制して、第3代の競輪女王の座に就いた。
午後2時過ぎ。快晴の弥彦。絶好のコンディションの中、9人の女神たちが弥彦バンクに登場。スタンドのファンの声援に応える姿も、だいぶこなれてきた。発走機に9人が整列。号砲を合図に、スタートもきれいに決まる。
まずは本田美羽選手がポンと出て、田中千晶選手、今日がデビュー戦の大橋郁美選手が続く。中団に宮本あみ選手―杉本真理子で、谷口由紀子選手―成田栞選手―渡辺まり選手―小林梓選手のラインが後方に待機した。
お、宮本選手が動いた。残り1周半前から上昇した宮本選手―杉本選手。2番手の外で田中選手―大橋選手と並走。その並走が最終ホームを過ぎても続く。
競輪の世界では「絶好のまくりごろ」という展開。満を持していた谷口選手―成田選手―渡辺選手―小林選手が最終バック大外をまくって出るが、弥彦バンクの傾斜の壁に跳ね返される。
外並走の宮本選手も力尽き、ゴール前は本田、田中、大橋、3選手の大接戦。華麗なハンドルさばきで外を抜け出した大橋選手が3番手強襲を決めたかに見えたが、逃げた本田選手がギリギリ粘ってゴール。本人もびっくりの優勝で、3代目の競輪女王が決まった。
レース後、号泣 デビュー戦を終えた大橋郁美選手
レース後の控え室。デビュー戦を終えた大橋選手の周りに、すぴRitsのメンバーが集まる。
涙、涙、涙…。
初出走というプレッシャー。
大きなものから開放された彼女の瞳から、大粒の涙が溢れ出した。
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