すぴRits「競輪女王決定戦」第4戦・サントリーモルツCUPが、奇跡的に雨が上がった弥彦競輪場で行われ、1番・成田栞選手がカマシ先行で逃げ切り優勝。4代目の競輪女王の座に就いた。
今日はかなり神懸かっていた。第3戦のレポでも書いたが、もう一度言う。彼女たちには太陽の神様がついている。
朝から雨模様の弥彦。激しく降るのではなく、霧のような雨が断続的に弥彦バンクを濡らす。雨走路。レースはもちろん、練習でも経験がないすぴRitsのメンバー。天気と同様に、不安そうな表情を見せた。
止みそうで、降り止まない雨。安全上の理由から、「弥彦バンクが乾かない限り、レースは中止」。第4戦の開催には、極めて難しい条件が出された。
弥彦競輪4R終了後。雨カッパを羽織ったすぴRitsのメンバーが、特別選手紹介のため、弥彦バンクに登場する。「雨は初めてなんで…」と、不安そうなコメントを渡辺まり、大橋郁美、成田栞選手が話したが、その頃から空が明るくなり始める。
弥彦競輪の第5Rが終了。雨は完全に止んだ。
そして、レース開催の有無を決めるタイムリミットの第6Rが終了。バンクはほとんど乾いた。
「レース、やります」。
彼女たちの魅力に、雨雲はノックアウト。ぴたりと活動を止めた。
陸上で鍛えた快速ぶりを発揮 成田栞選手が堂々の逃げ切り勝ち
弥彦競輪7R終了後。大勢のファンに迎えられて、すぴRitsのメンバーが登場する。日曜日のせいか、第4戦となってファンの方々に覚えていただいたせいか、声援がいつもにも増して大きく聞こえる。
号砲がなってスタート。小林梓選手―宮本あみ選手―谷口由紀子選手―杉本真理子選手が前団に構え、中団に渡辺まり選手―本田美羽選手―大橋郁美選手、そして、後方に成田栞選手―田中千晶選手。淡々とレースが流れたが、残り1周から大きく動く。
後方から成田選手が一気のカマシ先行。「陸上で鍛えた彼女が一番強いんじゃない」。自分のレースを終えて観戦していた松田桂一選手が言うように、猛スピードで先頭に立つ。懸命に田中選手が成田選手を追いかけて、切り替えた渡辺選手が田中選手に続く。
直線。大きな声援が飛ぶ中、成田選手が粘りに粘る。田中選手の追い込みをこらえての逃げ切り勝ち。第4代の競輪女王は、華麗に弥彦バンクを駆け抜けた。
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